綿花相場は12月初旬に下げた後、下旬から1月初旬にかけて持ち直した。NY先物市場の3限月はそれまでのポンド当たり90セントから94セントの取引幅から、12月前半には87セントを切るまで値を下げた。その後、NY先物市場の3限月は上昇し、それまでよりも高い93セントから97セントという新しい取引幅を確立。同時期、Aインデックスは一旦93セントを切ったものの、1月初旬には100セントを超えるまで値を上げている。綿花需要は引き続き弱含みに展開しそうだが、紡績需要、特にインドでのそれが高まっているというレポートも発表されており、最新データによれば国際綿糸価格も若干上昇している。
米国農務省のレポートは、2か月連続でバランスシートの需要サイドの弱さを反映するものとなった。12月、2011/12年度の世界紡績消費予測量に290万俵の下方修正が成された。さらに1月には、世界需要に140万俵の下方修正があった。現在の1億1,000万俵という米農務省が発表した2011/12年度世界消費予測量は、リセッション期の2008/2009年度よりも30万俵少なく、2004/05年度以降では最も低い消費水準である。1月発表の世界消費予測の下方修正は、中国の消費予測が100万俵下方修正されたことによる。中国の2011/12年度の消費予測量は4,400万俵で、2008/09年度の消費量と同量。タイの消費予測量は15万俵下方修正され、バングラデシュ、インドネシア、ベトナムもそれぞれ50万俵の下方修正が成された。
最新レポートでは、2011/12年度の世界生産予測量にも1億2,340万俵から1億2,280万俵へ58万3千俵の下方修正があった。事実上この下方修正は、インド(50万俵減)と米国(15万3千俵減)での減産予測による。これらの下方修正が成されたにもかかわらず、米国農務省発表の2011/12年度の世界生産予測量が史上最高であることは変わらず。
世界生産予測量の下方修正分が消費予測量の下方修正分を下回っている為、世界期末在庫には先月のレポートから68万8千俵の上方修正が成された。現時点での2011/12年度の世界期末在庫は5,840万俵で、2010/2011年度よりも1,300万俵多く、これは過去25年間で最大の年間増加幅でもある。しかし、この大幅増をもってしても、2011/12年度末に繰り越される在庫量は、2004/05年から2008/09年度までに作られた余剰6,000万俵の水準からは依然として少ない。
2011/12年度の世界期末在庫量の増加は世界消費予測量の下方修正と相まって、1月の在庫率を上昇させることになった。現在の53.1%は12月の予測51.8%から1.3パーセント・ポイント高く、2008/09年度以降で最大の在庫率である。米農務省発表の綿花在庫率は、これまでの平均値よりも幾分高めだが、綿花の作付けと競合する他の穀物、例えばコーン、大豆、ピーナッツなどの2011/12年の在庫率は2010/11年よりも低くなると予想される。これらの穀物の供給がタイト化する一方で綿花供給には比較的余裕があることから、春には綿花の作付け水準が下がり2012/13年度の収穫も減少することになろう。来季の綿花とコーンや大豆の先物価格の比率も綿花の作付反別が落ち込むことを示唆している。
インドでの収穫がまだ続いていることと世界で紡績関連需要が冷え込んでいることから、来月の綿花相場が飛躍的に上向きに転じることは難しい。冬季終盤から春にかけて相場は2012/13年度の作付け予測に影響されることになる。しかし、2012/13年度の作付反別が減少し、それゆえ生産量が減少することになっても、相場を上昇させる為には需要が改善されなければならない。また、需要増加に関しては幾つかの課題が存在する。中でも先進国の経済低迷による最終消費需要不振を新興国の消費者がどれくらい補うことができるか、昨年の綿花相場の記録的高値と不安定さから競合繊維にシェアを失った分をどのくらいとりもどせるかが課題となる。相場に関連する需要がらみの問題点をさらに複雑にしているのは、中国備蓄システムである。中国政府は積極的に買い付けることによって綿花相場を支えようとしていた。しかし、相場が上向けに転じた場合、中国国内紡を支えるために中国政府がどのように綿花を売ることになるかは今のところ不明である。 |